海外子会社に対し情報提供料を支出した場合の課税関係

I.事実関係

  1. 弊社は札幌市に本社を置く化学品メーカーですが、中国に100%所有の販売子会社を設立し、弊社の製品を販売させることとしました。

  2. ところで、設立後一定期間は十分な販売量が見込めないため、当該子会社の財政状態は相当悪化するものと見込まれます。

  3. 子会社には若干の人的余裕があるため、親会社のために中国市場に係る情報提供を依頼することとし、少しでも子会社の赤字を減額することができないかと考えています。

II.質問

最近の新聞報道によると海外子会社に対する情報提供料が税務上否認されたという記事を目にしましたが、どのような条件を満足すれば損金算入が認められるのでしょうか。

III.回答

汎用的な情報の収集については、製造会社及び販売会社共に情報収集活動から生じる利益を共有することとなりますが、貴社にとって当該情報が必要であるか否かのテストを行い、更に合理的に費用負担がされることが条件になると考えます。

IV.検討

  1. 情報提供活動については、親会社である貴社にその情報に係る利益が一方的に帰属するものである場合には、子会社が要した費用を貴社が負担することが認められます。但し、この場合において当該入手した情報が第三者によっても簡単に入手できる程度のもので、その対価にかかる市場価格情報が入手できるか、容易に推定できる場合にはその価格が上限となります。

  2. 次に貴社及び子会社が共にその情報にかかる利益を共有する場合には、貴社において当該情報が必要であるか否かを検討する必要があります。この点を踏まえると、情報提供活動に係る対価を貴社が負担する場合には、収集・提供の対象となった情報が個別具体的であるなど一定の評価が必要となります。

  3. 貴社が子会社に支払う情報提供料の対価となる情報提供活動とは以下のようなものを言います。

    1. ライバルメーカーの中国進出動向
    2. 現地企業の動向
    3. 新規商品に関する情報
    4. 貴社が属する化学品市場の動向
    5. 同業他社や得意先の工場建設に関する調査
      (合弁事業のパートナーや現地工場立地に関する調査等も含む)
    6. その他貴社が指示する情報
  4. 情報の対価を子会社が要したコストに基づき計算する場合には、投下労働時間等と当該入手した情報との因果関係が明確であることを条件として、その必要性などが税務調査の場で入念に検討されることとなります。また、間接費として交通費等がありますが、いずれについても証憑を添えて証明できることが損金として認められるためには重要な要素になります。また、第三者間価格情報が入手できる場合には、1.と同じことがこの場合についても適用されます。